━━世界は昔、2つだった。
ある日、世界中が眩い光に包まれた。
轟音や地響きも起こり、世界中が恐怖と混乱に包み込まれた。
それは、並行していた2つの世界が1つになる瞬間だった。
光が収まったとき、生物は目の前にある世界に驚愕した。世界は破壊しつくされ、そこに自分たちとよく似た生き物がいたからだ。
融合した世界の住民は、魔法が発展した・魔界と、科学が発展した・科界の2つ。それらに住まう魔人と科人がはじめて出会った日はけっして幸運な日ではなかった。
両者は、新生物が自分たちを侵略しにきたと考えたからだ。

━━我々は愚かで醜い争いをはじめた
統一戦争は長い年月にわたって続いた。しかし、魔法が効かない化け物や、凶暴化した魔界生物、人間に酷似した生物が現れたことで人類は破滅の危機を迎えた。そこで魔王は、科人の発明品”魔司器”を交渉材料にして科人と対等な平和条約を結んだ。そうして長きにわたる戦争が終結したのだった。
魔王は新たな政府・ゼンノアスを作ると国街システムを作り上げた。地殻変動でバラバラになった国を取り決めようとすれば争いが起こる。そこで、小さな街に自治権を与えて、ひとときの平和を作ることにしたのだ。
━━これからはともに生きていこう
国街をもとに新たな制度が次々と興され、人々は再び希望を抱き始めた。科人と魔人は互いに理解を深め、共存の道を歩み始めたのだ。

この物語は、かつての絶望と苦難が背景にある、魔法と科学が融合した世界の物語。魔法と科学の融合、異なる存在の共存、人より強い存在との政治。これらの要素が交錯する壮大なファンタジーの世界をあなたにお届けします。
ただの人は英雄になり、そして英雄は人を目指した。
鈴桜伝記